知的・精神・発達障害者の就職・就労支援、職場定着支援を行う東京都にある就労移行支援事業所
本年もよろしくお願いします。
No.113 『就労準備性再考①』
もうすぐ始まる『就労選択支援』にも触れつつ、就労準備性について再考します。
ボトルネックとは、システム全体の効率を制約する要因のことである。一般に、ボトルネックになっている部分が律速段階となるため、生産性、コスト、士気に大きく影響する。従って、就労支援の制度も、どこにボトルネックがあるのかをよく考えて制度設計する必要があると思う。10月から始まるという就労選択支援について、今現在でている国からのアナウンスを見聞きする限り、そのボトルネックは明々白々である。
第一は、その手順の中に、様々な不正を防ぐためのチェック段階がないに等しく、大法人による障害者の囲い込みが容易であることがあげられる。
第二は、就労選択支援の中核に位置する「就労アセスメント」の質が担保されていないことである。まず、論外だなと思うのが、この支援を請け負うための条件である。その条件とは、「過去3年間に3人の就職者を出した施設」である。なめているとしか言いようがない。
第三は、アセスメントの概念がずれているということがある。実はこのことは、障害福祉全体に悪影響を与えている。今現在の説明を聞いている限り、制度設計をしている検討チームはアセスメントの概念を誤って認識しており、心もとない。このまま実施されれば、非常に無責任なアセスメントに基づいて就労選択支援を実施する事業所が大半になるだろう。そのしわ寄せは利用者にいくはずである。アセスメントの概念問題については、この後に触れていく。