知的・精神・発達障害者の就職・就労支援、職場定着支援を行う東京都にある就労移行支援事業所
『塞翁が馬』という諺があります。「人の禍福は予測できないものである」という意味です。その意味を思い出させてくれる事例を文章にしました。
今回は、とてもではないが、コンパクトにまとめることができず、4回に分けての連載にしました。6月~9月にかけて連載する予定です。ご了承ください。
以下、本文より抜粋。
通常、安心できない理由というのは、自分の外にあります。例えば、同じ学年にいる○○君からいじめられるとか、親が虐待してくるとか、勉強ができないからテストで0点をとるかもしれないとか、そういった外的な要因です。人はこれを乗り越えたりかわしたりすることで安心を得て、そこから自発的な動きが生まれてきます。しかし、小太郎の場合はどうなのかと考えたとき、どうも趣が違うように思うのです。この時の彼について言えば、安心できない原因は、小太郎自身の側にあるように感じました。従って、今のままでは、やればやるほど過敏になり、不安が強くなります。これはいけません。僕は、感じるままに小太郎に話し掛けました。
「とりあえず、よく頑張った。ここからスタート。次は、ちゃんと生活して、ちゃんと学校へ通えるようになろう」
小太郎の目がうなずきました。