知的・精神・発達障害者の就職・就労支援、職場定着支援を行う東京都にある就労移行支援事業所
人生の経過を縦断的に追跡し、想像するためには、中級者レベルでは足りない。最低でも上級者レベル、できればプロフェッショナルの段階に達している必要がある。これができずに目の前のことや手元で精一杯になる援助者をビギナーや中級者と定義する。
彼らは、「技法」は使えるが、状況に依存する「戦術」、あるいはもっと上位の「戦略」をもつことはできない。大局観がないからである。本当の大局観を持たずに、上級者であると思い込む援助者も同様だ。すぐに切羽詰まって後の伸びしろをイメージできず、時間的に短く浅い射程で相手を評価・予測し、匙を投げてしまう。相手の長い人生を考えたときに、そのように刹那的な判断を狭い範囲でやられたら困る。だいいち、相手にとって迷惑である。最低限、自分の経験が狭く限られた範囲のものであることを自覚する必要がある。また、僕らの施設で上手く行かなかったケースが、別の施設ではとても上手く行くということも往々にしてあるということも付け加えておきたい。
ソクラテスの時代から、人の成長に不可欠なのは「無知の知」であると言われているではないか。