知的・精神・発達障害者の就職・就労支援、職場定着支援を行う東京都にある就労移行支援事業所
私は以前、国立の障がい者職業訓練校にて職業指導の現場で働いていました。
そこでは全てプログラムが決まっていて、学校のようにテキストやワークサンプルでの仕事やグループワークのみで毎日進行していきます。実際の企業や社会とつながる機会というのがほとんどない状態で訓練が行われているのが実態なんです。
架空の訓練では、実際に仕事をしてお金を得るという一番重要な循環を体験することができないんですね。
ftlではほぼ毎日実際の企業からいただく対価の発生する仕事を行います。対価を得る仕事をするので働いたことによってお金を得るという実感がもてると思うのです。
出来上がった成果物をお客様のところへ納品するところまで一緒に行うんです。そしてその対価としていただいた代金も工賃として、すべて彼らに分配しています。そこでは職員の評価によって多い、少ないがあるんです。
そういった仕事で起こった出来事を通して社会の常識やルールを出来る限り教え込みます。
まずは、良い労働習慣を身に着けること、次に仕事に対する責任感を持つことを意識して話をします。
また、ここでは一人で行う作業よりグループで行う作業が圧倒的に多いです。そのことによってチームワークの重要性を感じたり、次工程の人のことを考えることができていくと思います。
ここには事務職を目指して通ってくる人が多いですが、まったく違う仕事に就く人もいます。その人の適正を見抜き、最終的に社会に貢献し社会と繋がる能力を見つけるのが我々の仕事だと思っています。
毎朝、個々の表情や言動を慎重に見るようにしています。見れば日々の変化はほぼわかります。
もちろん個々の事情は予測し必要な配慮をしますが、しかし彼らは働きたくてここに来ているのです。その事情を過度に甘えさせず、社会に対応できるレベルかどうかで指導するべきか、配慮するべきかを判断しています。