プログラムの特性
ftlでは、本人が自立を目指すときに役立つ多角的なアセスメントを行います。一緒に働くからこそ得られる「質的情報」と、常駐の臨床心理士による専門的な検査から得られる「量的情報」が、的確なアセスメントと効率のいい目標管理を可能にします。
ひとりひとりが高い意識を持って訓練できる様に、その基盤を作って行きます。
ひとりひとりが向き合う課題に対しては、それを乗り越えて行く為の的確な方針が必要です。就労自立という目標は同じでも、ひとりひとりが歩んでいくプロセスは十人十色。個別の方針を、支援担当者と綿密に打合せしながら立てていきます。支援担当者+臨床心理士+サービス管理責任者による正確なアセスメントと方針設定は、プロとしての経験が存分に活かされています。
職場の上司でもある直接支援担当者は、豊富な現場経験を持ち、日々厳しい研修を積んでいるプロフェッショナルです。いち早く情報を共有し、二人三脚で就職や自立を目指していきます。
ftlでは、眠くなる抽象的な講義は行いません。丁寧な支援を受けながら、実務経験を積み重ね、その経験を基に、就労自立に必要な持久力・集中力・注意力を獲得してもらいます。さらに、プランニング能力やライフスキルも身につけていきます。提携企業との契約による仕事は、全て社会的責任を伴う本物の仕事です。
また、支援担当者と共に提携企業に出向いて、働いてくる場面もあります。その中で、責任を果たして報酬を得るという社会人として当然の経験も体験していきます。自信を持って社会に出て行く為の必須項目を、支援担当者や同僚と一体感を持って乗り越えていきます。
要所で行われるミーティングは、ftlで経験した実務経験についてのフィードバックです。机上の空論は避け、「実践」→「改善」→「ブラッシュアップ」という良いスパイラルを習慣付け出来ます。働く事を通じて社会参加することの充実感や喜びを悟りながら、一歩一歩進んでいきます。程よい緊張感と大きな達成感を経験し、意欲を高め、一生涯の宝となるような実力を身につけます。
数多くの企業とやりとりしてきた経験は、単なる職業紹介では得られないノウハウとして蓄積されています。ftlでは、あらゆる面からマッチングを検討した上で就職を目指します。ここにも「本物の職場体験」から得られた情報や、心理検査等による情報が活かされます。
ftlにおける就職に至るまでのプロセスで、ひとりひとりの特性を十二分に把握します。その情報は、本人や職場に分かり易く説明されます。ftlで築いた土台は、就職先にもそのまま引き継がれます。このシステムは、障がいを持つ人の就職を有利な条件でスタートさせます。「発達障がい」や「知的障がい」を十把一絡げにせず、ひとりひとりを丁寧に捉えて支援するからこそできる定着支援です。
制度的な制約から、何かと不安の多い就労移行支援の利用。
ftlは指定特定相談支援事業も行っており、そのノウハウは就労移行支援や就労継続支援B型にも活かされています。目先にとらわれた進路選択を全力で回避し、その人の人生設計に思いを馳せる様なケースワークを目指しています。
プログラム概要
「SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)」の様な体系的なプログラムに沿って覚えたスキルは、そのままでは実社会で活かす事ができません。
コマ割りの授業・ロールプレイ・マナー講義などの経験を何度繰り返しても、所詮は畳の上の水練です。体系的に覚えたスキルでは、個別的な状況に対応できないのが普通です。
仕事は「習うより慣れよ」と言います。私たちが目指す「働く力」獲得への支援は、対価の発生する本物の仕事に本気で取り組むという形をとります。
- まずは直接支援担当職員と共に実際の仕事を経験してみて、現状を把握します。
- 現場で収集した情報に、臨床心理士による専門的な検査を合わせて、特性・傾向・支援方略・対策を導きだします。
- アセスメント結果を元に、それを落とし込んだ支援計画を作成し、実践に移します。
- 実践を踏まえて、将来を見据えながらの確認を丁寧に行います。
- 見直すべき点や、更に改善すべき点を見つけ、ブラッシュアップします。
ftlでは、個人の能力アップと雇用する企業によるサポート体制の強化の両方に注目し、それらを融合させていく支援を行っています。
これにより、ナチュラルサポートの構築が進みやすくなり、職場における双方の不安を可能な限り早く軽減します。
こういった実践からのフィードバックは、再び支援の現場に返され、さらなる質の向上を生み出し、サポートに生かされています。
就労実績・実例
平成23年4月1日開始以来、数多くの受講生たちが一般企業に就職し、活躍しています。
直近の1年間における就職者数を見ると、全国の就労移行支援事業所における平均就職率を遥かに超える高い就職率になっています。
※全国平均就職率は27%になります。(2017年・厚生労働省『障害者の就労支援対策の状況』より)
ftlビジネス・スクールでは、この高水準の就職率と職場定着率を維持していくことこそが、就労移行支援事業所の存在意義であると考えています。
ftlビジネス・スクール卒業生就職先
- トイレタリー製品販売(10代・女性)
- ハイプレステージレストランチェーン(40代・女性)、アウトソーシング事業(20代・男性)、
総合保険代理店(40代・男性)、総合保険代理店(20代・女性)、アパレルメーカー(20代・男性)、
ファーストフードチェーン(20代・女性)、大手出版会社<特例子会社>(20代・女性)、
大手通信会社(20代・男性)、大手信用金庫(30代・女性)、人材サービス会社(40代・男性)、
大手生命保険会社(20代・女性)、地域密着型介護施設(20代・女性)、大手損害保険会社(40代・女性)、
大手総合食品メーカー(40代・女性) - ゲームソフト開発会社(20代・男性)、ケーブルTV会社(30代・男性)、大手出版会社(40代・男性)、
大手印刷会社<特例子会社>(10代・男性)、セキュリティーサービス会社(30代・男性)、
自動車部品関連会社(40代・男性)、 企業向け健康診断提供事業会社(30代・女性)、
システム開発会社(30代・男性)、大手重工業メーカー(30代・男性)、大手輸送サービス会社(50代・男性)、
大手総合スーパー(30代・男性)、大手飲料メーカー(10代・男性)、 医療法人(20代・女性)、
大手ゼネコン<特例子会社>(30代・男性)、医薬品関連会社<調剤薬局>(30代・男性)、
化粧品輸入販売会社(30代・女性)、大手キャラクター商品企画販売会社(20代・男性) - 大手不動産会社(10代・男性)、情報通信総合会社(30代・男性)、大手印刷会社<特例子会社>(20代・女性)、
大手旅客会社(10代・男性)、大手自動車メーカー関連企業(20代・女性)、大手菓子問屋(30代・女性)、
美容サロン運営会社(30代・男性)、大手食品製造業(20代・男性)、外資系大手システム会社(30代・男性)、
大手菓子問屋(20代・男性)、人材派遣会社(20代・男性) - 大手リース会社(30代・男性)他多数
ストーリー
「人間関係の難しさを乗り越えさせ、本当の社会参加を」
私が職員になって最初に担当した女性、Aさんの話です。
彼女には複雑な過去があり、時折、幻覚が見えたりします。
精神的に弱く、トラブルがあるとすぐに泣いてしまうこともあります。仕事でうまくできないことがあると、すぐにかたまってしまうこともしばしばでした。
私は積極的に彼女の話を聴いたり、トラブルに陥ったときには、なるべく具体的な対処法をスピーディーに示したりすることを心がけてきました。やがてAさんは事務補助の仕事で就職が決まりました。
ところが、3ヶ月ほどすると、同僚とうまくいかず、パニックになって電話をしてきました。
「辞めようかな。もう無理」
「ちょっと待って。何があったか、話してみて」
せっかく就職しても、定着できなければ意味がありません。私は先方の企業とも連絡をとり、席の配置の変更などを提案し、その場を乗り越えました。
本人は、その対応を大いに前向きに受け止め、今は4年、同じ企業で頑張っています。
今、彼女は職場のなかでリーダー的な存在になっています。ひとつずつ着実に仕事をこなしていくこと。すべてが思うようにはならないのだと理解させること。仕事の難しさよりも、人間関係。いやになってしまう理由は、平均的なひとと同じなのだと思います。
今、生き生きと働く彼女に会うのが楽しみです。
「二人三脚で大手印刷会社に合格!」
知的障害で全くコミュニケーションがとれなかったBさんのことが印象に残っています。
彼女が就職するまでには3年ぐらいかかりました。たいてい、1年から2年で就職が決まっていきますので、少し時間がかかりました。
「Bさん、おはようございます!」
そう声をかけると、踵を返してダッシュで逃げます。人と人とのかしこまった雰囲気に弱く、逃げ出したり、泣き出したりしてしまうのです。
私は根気強く、徹底的に声をかけ、引き止めて挨拶をやり直しました。向こうから話しかけているような気がするときでも、目が合うまで話さないようにしました。
1対1のビジネス・コミュニケーションに持ち込めるよう、怒らず、粘り強く目を見て話すことを繰り返したのです。少しずつ、Bさんは進歩しました。そしてなんとか人の話に耳を傾けられるようになったとき、二人三脚で企業の面接に行きました。
でも、何度か不採用の通知をいただくことになりました。
「大丈夫、きっと、Bさんを必要とする会社があるよ。だから、頑張ろうね」
Bさんは悲しそうでした。私は彼女に向く仕事の種類も考えました。
そして、とうとう、大手印刷会社への就職が決まったのです。原稿のスキャニングなどを担当し、積極的に働いているそうで、会うと笑顔で報告してくれます。
何よりも「仕事」で得た張り合いが、彼女をさらに変えたようです。
スタッフインタビュー
地図・交通
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